実行委員長挨拶
慣れ親しんだ慶應義塾の学び舎から大志を胸にして社会に出た平成9年から、もうすぐ卒業25年を迎えようしています。銀行や証券会社の破綻という金融危機からスタートした社会人生活、世界観が変わる様な凄まじい事象に見舞われたとき、一個人としての無力感や虚無感に苦しんだとき、塾で学ぶことが出来た経験や知識、出会えた友人や恩師との交友や優しさに、どれだけ勇気と人生の喜びを分けて貰ったかわかりません。
その慶應義塾には卒業25年の塾員を卒業式に、卒業50年の塾員を入学式に、それぞれ招待をし塾長主催の塾員招待会を催すという伝統があり、我々1997年度の卒業生は来る2022年3月の卒業式へ招待をされることとなります。またこの25年に一回という節目を、歴代の先輩方はお互いの旧交を温めると同時に、現役の学生の中で支援を必要とする後輩達を奨学金という形でサポートするという機会としてきました。また、近年では塾の研究を支援するという選択も与えられています。
昨年来のコロナ禍において、我々同期も決して余裕のある環境ではないことは十分に承知をしておりますが、いまの現役学生の環境も極めて厳しいものがあると想像されます。オンラインでの学業が中心となり、秋までクラスの友人での集まりも難しかったこと、部活動やサークル活動、生活費や授業料に充当する為のアルバイトも平時とは大きく異なると推察されます。
我々1997年三田会としては会場を設けると共に、オンラインでの参加も募るハイブリッドでの「2021年5月のキックオフ同窓会」を始めとして、「奨学金の募金活動」「2022年での大同窓会の開催」というイベントの実施、あわせて同期の塾員名簿整備とウェブも含めた記念誌の編纂を推進することに致しました。
制限された厳しい環境であるからこそ、それぞれの出来る範囲内で母校のため、これからの学術研究や後輩の未来のために社中協力の精神で2022年に向けて活動を行なって参りたいと思っておりますので、ご理解、ご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
1997年三田会卒業25周年記念事業実行委員会
実行委員長 麻生 巌